2025年10月10日
絶対湿度と相対湿度
【問題】 「5℃90%」と「30℃20%」はどっちが湿度が高いでしょうか?
湿度の数字だけ見ると、圧倒的に90%の方が湿度が高いですが、実際はどうでしょうか?
ここで相対湿度と絶対湿度というのがあって、少しその違いをご説明します。
両社を区別するために、相対湿度は「90%RH」というような表現で表されることがありますが、その名の通り「相対的な湿度=温度によって変わる」ものです。
例えば30℃20%というのは、30℃で結露し始める水分量を100%とするとその20%の水分量を含んでいるという意味になります。
では30℃で結露し始める水分量は?というと100%RH=30.37g/m3、つまり30℃20%は絶対湿度約6g/m3(1立米の空気に湿気が6g)になります。
また同じように5℃90%も約6g/m3となります。
ということで冒頭の質問の正解は「同じ」でした!
この辺の知識があれば北側の部屋の収納の中でどうやったら結露を防止できるかなど、温湿度計を見ながら考えられると思います。
相対湿度と絶対湿度の換算はこちら↓
湿り空気線図の説明はこちら↓
疑問1)なぜ冬の室内は加湿しても乾燥するのか?
24時間換気で常に外気を取り込む今のお家は、外の空気(例えば5℃50%=3.4g/m3)が室内に入って20℃に加温されたらそれだけで相対湿度19%になります。換気は2時間に1回家の空気を入れ替えるので、多少の加湿器くらいでは加湿しきれずに過乾燥となります。
疑問2)なぜ北側の部屋は一般的に湿度が高くなるのか?
よく室温が低い方に湿気が流れるから湿度が高くなるという人がいますが、これは正しくありません。湿気(絶対湿度)はある閉じられた空間内で均一になろうとする特性があるので、一般的に室温が低い北側の部屋では相対湿度が高くなる、というのが正確な答えです。
- 加納貴志