MENU

OFFICIAL SNS

(C) DAITO HOUSING Co., Ltd. All Rights Reserved.

これでいいのか日本の住まい!

先日、気密や室内空気・換気の風量の測定をしている業者の方と話をする機会があった。<br /><br />「長期優良住宅が始まった去年の中盤くらいから、仕事がめっきり減って大変だ」<br />と言う。<br /><br />工務店やハウスメーカーからの検査依頼がほとんどなくなったとの事。<br /><br />なぜだと思われますか?<br /><br />それは着工件数の減少が原因ではなく、昨年実施された省エネ基準の改正が大きな要因で<br />簡単にいえば検査が必要なくなったからなのだ。<br /><br />通常、改正といえば文字通り基準が厳しくなるのが常識だが、これほどエコが取り沙汰されているのにも拘らず、逆に基準が緩和された。<br /><br />いくつか改正が行われたのだが、一番問題なのが隙間相当面積(C値)の基準が削除された事であろう。<br /><br />品確法や長期優良住宅の中で、省エネ性能の最高等級である次世代省エネ基準の従来のC値の基準は寒冷地で2cm以下でその他の地域は5cm以下だったが、その甘すぎる?基準が厳しくなるなら分かるが削除されたのである。<br /><br />この事によって、最近では高気密・高断熱住宅という言葉自体すらあまり聞かなくなり、省エネにとって一番大事な断熱・気密基準の比較はほとんど議論される事がなくなってきた。<br /><br />エコな住まいと言えば気密や断熱性能が何より重要な性能だが、大手のハウスメーカーを中心にエコキュートや太陽光発電などの設備さえ充実させれば、時代の最先端を行くエコな住まいといういささかおかしな風潮となってきている。<br /><br />住宅の断熱性能と高効率の設備・太陽光発電などは全く別の観点で考えなければいけない問題であり、あたかも設備重視の考えは全くナンセンスなのである。<br /><br />そもそも気密性を高める最大の目的は、家の漏気(隙間)を大幅に低減する事によって、省エネ性の向上はもとより、壁体内の結露の防止や換気計画の実効性を担保する事によって、住宅の耐久性と住む人の居住性を高め、健康で快適な暮らしを実現する為にある。<br /><br />その最低限の基準がない中でいくら高効率の給湯や暖房設備を導入したり、発電効率の高い太陽光発電を設置したとしても、極論ですが意味のないという事を理解しなければならない。<br /><br />考えていただきたいのは、測定や検査なくして精度の高い正確な施工が出来るかどうかという事で、誰がどのようにしてチェックをするのという事なのである。<br /><br />もともと気密・断熱工事は、その必要性を正しく理解していない職人さんが圧倒的に多かった為に、徹底した施工管理と時間をかけて指導・教育に取り組んできた工事分野だ。なぜなら、たとえいい加減な工事をしたとしても、工事が進行中にすぐに隠れてしまう場所で、すぐさま問題が表面化する事はない為に、疎かな工事になりがちなのだ。ゆえに基礎の配筋や構造体と同じように検査や測定が最低限必要なのだ。<br /><br />世の中ありとあらゆる業界や機関で様々な検査が実施されているが、その検査をかいくぐり様々な偽装や事件が起きている。<br /><br />建築業界もまた、〇〇事件などに代表されるように、欠陥住宅などの問題は後をたたない。瑕疵担保保険も義務付けとなったが、結露によって生じる住宅の様々な被害は保険期間の10年を過ぎてから表面化してくる問題なので瑕疵にはならないのが現状だ。<br /><br />新築を検討しているお客様<br /><br />検討している建築業者さんは気密検査をしていますか?<br /><br />何回実施しますか?<br /><br />C値の値はいくらですか?保証はつきますか?<br /><br />快適性・光熱費・耐久性・耐震性・健康 全てを左右する一番重要なポイントですので必ずご確認下さい。<br /><br />本当に満足するいい家を建てるには、価格や間取り・外観・設備・インテリアなどの検討はその次のステップだという事を理解していただきたいと切に感じる今日この頃です。<br /><br />